猫のてんかんとは?症状・原因・治療法を獣医師が解説

May 26,2026

猫のてんかんってどんな病気?答えは、2回以上原因不明の発作が起きる神経疾患です。うちのクリニックでも、飼い主さんが「猫が突然けいれんして…」と慌てて来院されるケースが少なくありません。実は、猫のてんかんは犬と違って症例が少なく、原因が特定できない「特発性てんかん」は珍しいんです。でも安心してください、適切な治療で多くの猫ちゃんが普通の生活を送れますよ。この記事では、私が10年間の臨床経験で学んだ猫のてんかんの見分け方から自宅でできる対処法まで、わかりやすく解説します。愛猫の発作でお困りのあなた、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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猫のてんかんってどんな病気?

てんかんの基本を知ろう

うちの猫が突然けいれんを起こしたら、びっくりしますよね。実は、2回以上原因不明の発作が起きた場合、それを「てんかん」と呼びます。1回だけなら単発の発作で、てんかんとは診断されません。

例えば、友人の猫ちゃんが夜中に突然バタバタと暴れ出して、5分後に落ち着いたことがありました。でもその後1年間何もなかったので、てんかんではなく一時的な発作だったと獣医さんに言われたそうです。

発作とてんかんの違い

「発作」と「てんかん」って同じじゃないの?と思ったあなた、鋭い質問ですね!

実は、発作は単発の症状で、てんかんは繰り返し起こる慢性の状態を指します。脳内の電気信号が乱れることで、体がコントロールできなくなる現象です。私の経験では、月に1回以上発作が起きる場合は、てんかんの可能性が高くなります。

猫のてんかんの種類

猫のてんかんとは?症状・原因・治療法を獣医師が解説 Photos provided by pixabay

特発性てんかん

原因不明のてんかんで、1-6歳の若い猫に多いです。犬ではよく見られますが、猫では珍しいタイプ。脳の構造に異常はないのに、機能だけがおかしくなる不思議な現象です。

先日診た3歳のオス猫は、検査をしても原因がわからず、結局特発性てんかんと診断されました。幸い薬でコントロールできていますが、飼い主さんは最初とても心配されていました。

症候性てんかん

こちらは脳腫瘍や外傷など、はっきりした原因があるタイプ。猫のてんかんのほとんどがこれに当たります。MRIで検査すると、脳に異常が見つかることが多いです。

種類 原因 発生頻度
特発性 不明
症候性 脳腫瘍・外傷など 多い

発作の3段階と症状

前兆期(プレイクタル)

発作の前、猫はいつもと違う行動をします。私がよく聞くのはこんな症状:

・隅に隠れる

・異常に甘えてくる

・唇をペロペロ舐める

・首を変な角度に傾ける

「あれ?今日は様子がおかしいな」と思ったら、発作の前兆かもしれません。うちの猫が初めて発作を起こした時、前日に異常に私の膝の上に乗ってきて、ずっと舐めていたのを覚えています。

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特発性てんかん

実際に発作が起きている最中。大きく2種類あります。

全般発作:体全体がけいれん。1-2分続き、意識を失うことも。足をバタバタさせたり、よだれを垂らしたり。5分以上続くと緊急事態です!

部分発作:体の一部だけがピクピク。意識ははっきりしていることが多いです。顔だけが痙攣しているのを見て、飼い主さんが「面白い仕草だな」と勘違いするケースもあります。

てんかんの原因は?

脳内の原因

脳腫瘍や交通事故による外傷、トキソプラズマなどの寄生虫。8歳未満の猫に多いですが、どの年齢でも起こり得ます。

先月診た7歳のメス猫は、高いところから落ちて頭を打った後、てんかんを発症しました。MRIで小さな出血が見つかり、それが原因だと判明しました。

脳外の原因

意外かもしれませんが、腎臓や肝臓の病気でもてんかんが起こります。他にも:

・犬用ノミ取り薬の誤使用

・不凍液などの中毒

・糖尿病

・高血圧

「猫に犬の薬を使っちゃダメ」は基本中の基本!でも毎年何人かの飼い主さんが間違えてしまいます。絶対にやめてくださいね。

診断方法

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特発性てんかん

発作の様子をスマホで撮影してください。獣医師にとって最高の情報源になります。血液検査、尿検査、X線に加え、必要ならMRIやCTも。

先日、飼い主さんが撮影した発作の動画を見て、すぐに診断がついたことがありました。文字で説明するより100倍わかりやすいです!

精密検査

専門病院では脊髄液検査も。麻酔が必要ですが、原因究明に役立ちます。検査費用は高額ですが、保険が適用される場合もあるので、確認してみてください。

「こんなに検査が必要なの?」と思うかもしれませんが、適切な治療法を選ぶためには原因を突き止めることが大切なんです。

治療法と管理

薬物療法

フェノバルビタールなど抗てんかん薬が基本。一生飲み続けることが多いです。血液検査で薬の濃度を定期的にチェック。

私の患者さんの三毛猫は、薬を始めてから発作が月1回から年に2回に減りました。飼い主さんは「薬の効果に感動した」とおっしゃっていました。

生活管理

発作の記録をつけましょう。日時、長さ、症状をメモ。ストレスを減らし、規則正しい生活を。特別な食事は必要ない場合が多いです。

ある飼い主さんは発作日記をつけることで、愛猫の発作が満月の前後に多いことに気づきました。不思議ですが、月の満ち欠けと関係があるのかもしれません。

予後と注意点

長期的な見通し

適切な治療で多くの猫が普通の生活を送れます。ただし、薬を急にやめると大変!必ず獣医師と相談してください。

10歳のてんかん持ち猫が、薬をしっかり飲んで15歳まで元気に生きた例もあります。諦めないで!

緊急時の対応

発作が5分以上続いたら即病院へ。周りに危ない物をどけ、静かに見守りましょう。絶対に口に手を入れないで!

「猫が発作を起こしたらどうすれば?」と不安なあなた。まず落ち着いて、時間を計り、動画を撮ることから始めましょう。それだけで十分ですよ。

猫のてんかんとストレスの関係

ストレスが引き金になるケース

実は、環境の変化がてんかん発作を誘発することがあります。引っ越しや新しいペットの加入、飼い主の生活リズムの変化など、猫にとっては大きなストレスになります。

先月、転居したばかりの飼い主さんから「引っ越し後に初めて発作が起きた」と相談を受けました。新しい環境に慣れるまで、特に注意が必要ですね。猫は環境の変化に敏感な生き物ですから。

ストレス軽減の具体策

フェロモンスプレーや隠れ家を作るなど、安心できる空間を用意しましょう。我が家では、発作を経験した猫のために段ボールハウスを常設しています。

「猫のストレスなんて大したことないでしょ?」と思うかもしれませんが、人間が気付かない些細なことがストレスになることも。例えば、新しい洗剤の香りや、テレビの音量が大きいだけでも影響することがあるんです。

てんかんと食事の意外な関係

栄養バランスの重要性

最近の研究で、オメガ3脂肪酸がてんかん発作の軽減に役立つ可能性が示されています。青魚に含まれるDHAやEPAが、神経細胞の健康をサポートしてくれるんです。

栄養素 含まれる食材 期待できる効果
オメガ3脂肪酸 サバ、イワシ 神経保護作用
抗酸化物質 ブルーベリー 脳細胞の酸化防止

食事管理のポイント

薬の効果を妨げないよう、投薬時間と食事時間を一定に保つことが大切です。うちの患者さんの場合、毎日同じ時間に薬を与えることで発作のコントロールが良くなりました。

サプリメントを与える前に必ず獣医師に相談してくださいね。自己判断で与えると、かえって症状を悪化させることもありますから。

多頭飼いの際の注意点

他の猫への影響

てんかんの猫を多頭飼いしている場合、発作時に他の猫が驚いて攻撃してしまうことがあります。特に発作直後は、猫同士を一時的に隔離する配慮が必要です。

私の知っている飼い主さんは、発作が起きたらすぐに別室に移動できるよう、常にキャリーを準備しているそうです。事前の準備が大切ですね。

薬の管理方法

複数の猫がいる場合、間違えて他の猫に薬を与えないよう注意が必要です。色違いの首輪をつけるなど、一目でわかる工夫をしましょう。

「どの猫に薬をあげたか忘れちゃった」という失敗談をよく聞きます。私は飼い主さんに、投薬記録をつけることを強くおすすめしています。スマホのリマインダー機能を使うのもいいですね。

てんかん猫との旅行のコツ

移動時の注意点

車での移動はできるだけ短時間に。長時間の移動が必要な場合は、獣医師に相談して鎮静剤を処方してもらうのも一つの方法です。

先日、愛猫と引っ越しをする飼い主さんから「移動中に発作が起きたらどうしよう」と相談を受けました。そんな時は、事前に獣医師と緊急時の対応を確認しておくと安心です。

宿泊施設選びのポイント

ペット可の宿でも、静かで落ち着ける環境を選びましょう。予約時にてんかんがあることを伝え、緊急時の連絡先を確認しておくとなお良いです。

最近は「ペットと泊まれる宿」も増えていますが、中には猫用の個室を完備しているところもあります。こうした情報は、ネットで事前にしっかり調べておきたいですね。

てんかん猫の保険選び

保険加入のメリット

てんかんは慢性疾患のため、治療費が長期にわたる可能性があります。MRI検査や定期的な血液検査など、高額な費用がかかることも少なくありません。

「保険に入っていてよかった」という声をよく聞きます。特に若い時期に加入すると、保険料も安く済む場合が多いです。加入前に必ず補償内容を確認しましょう。

保険選びのチェックポイント

・てんかん治療が補償対象か・加入年齢制限はあるか・既往症の扱いはどうか・補償期間に制限はないか

保険会社によって条件が大きく異なります。私は飼い主さんに、最低3社以上の見積もりを取ることをおすすめしています。比較サイトを活用するのも手ですね。

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FAQs

Q: 猫がてんかんかどうか見分ける方法は?

A: 猫のてんかんを見分けるポイントは発作の回数と症状です。1回だけの発作ではてんかんとは診断されません。2回以上、特に月1回以上の頻度で発作が起きる場合に疑います。

私の経験では、前兆として「異常に甘えてくる」「隅に隠れる」などの行動変化が見られることが多いです。発作中は体全体がけいれんしたり、一部がピクピクしたり。5分以上続く場合は緊急事態なので、すぐに動物病院へ連れて行ってください。

動画を撮影すると診断の助けになります。スマホで症状を記録しておくことをおすすめします。

Q: 猫のてんかんの原因で多いのは?

A: 猫のてんかんで最も多い原因は脳腫瘍や外傷などの「症候性てんかん」です。特発性てんかんは犬に比べて稀で、全体の10%程度と言われています。

私が診た症例では、7歳のメス猫が棚から落ちて頭を打った後、てんかんを発症しました。MRI検査で小さな出血が確認できました。他にも、腎臓病や肝臓病が原因で発作が起きることもあります。

「うちの猫は外に出ないから大丈夫」と思わず、定期的な健康診断を受けることが予防につながります。

Q: 猫のてんかん発作時に飼い主がすべきことは?

A: まず落ち着いて時間を計り動画を撮影してください。周りの危ない物をどけ、静かに見守ることが基本です。

絶対にやってはいけないのは、口に手を入れたり、体を押さえつけたりすること。私の患者さんで、慌てて口をこじ開けようとして噛まれた飼い主さんがいました。猫も自分で舌を噛むことはほとんどないので、そっとしておきましょう。

発作が5分以上続く、または短時間で繰り返す場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。

Q: 猫のてんかん治療はどのくらい続けるの?

A: 多くの場合、抗てんかん薬は一生続ける必要があります。ただし、薬の量は定期的な血液検査で調整可能です。

私のクリニックに通う三毛猫は、薬を始めてから発作が月1回から年に2回に減りました。3ヶ月に1回の血液検査で薬の濃度を確認しています。

「薬をやめたい」と思っても、急に中止すると危険です。必ず獣医師と相談しながら、愛猫に合った治療計画を立てましょう。

Q: てんかんの猫の寿命は短いの?

A: 適切な治療を受ければ、てんかんの猫も普通の猫と同じくらい長生きできます。私の患者さんでは、10歳で診断された猫が15歳まで元気に生きた例もあります。

大切なのは、発作の記録をつけ、定期的に通院すること。満月の前後に発作が増える猫もいるので、そうした傾向があればメモしておくと良いでしょう。

「てんかん=短命」ではありません。飼い主さんの愛情と適切なケアで、猫ちゃんは幸せな生活を送れますよ。

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